ここ数年でクリエイティブディレクションの関連本の中でダントツに内容が濃く、ことあるごとに読見返す本を紹介します。
著者は電通のクリエイティブのトップである古川裕也氏。誰もが一度は観たことがある有名な広告を手掛けいる方です。
以下、箇条書きで。
・CDとは何をする職種か。それは課題→アイデア→エクゼキューションをする仕事
・定義すること、絞り込むことが大切
・優れた広告には多くの場合、企業なり商品なりのヴィジョンのようなものが含まれている必要がある
・ダビデ象をつくったミケランジェロの話。
どうやってつくったのか?と質問したところ「とても簡単です。ダビデと関係ないものをすべて捨てた」と発言。捨てるのはCDの大切な仕事。
・コアアイデアをつくりだす。それはつまり一つ以外の他の全ての可能性を捨てることだ
・ブランドメッセージとは。これから世の中に向けてどう作用するかを伝えること。未来に対しての意思表明が含まれていなければいけない。世の中に果たすべき役割を語りかける。
・「いい」の判断は論理的、直感的のことが多い
・レッドブルの場合
ブランドバリュー
「自己否定、非順応、スマート、反抗」
「勇気と驚きを与える」「不可能はない」に
・CDの仕事は突き詰めれば、傑作にならざるを得ない状態に仕事とチームを追い込む。そのために無理を言い続けるのが最後の仕事
・傑作には二つの理由がある。びっくりと納得。
・世の中の広告の90%はなかったことになる
・なるべく高い障壁を置いておくことが物語の基本
・レッドブルの場合は「不可能はない」をイベントを通じてファンと共有
・わかりやすい障壁を用意してそれにチャレンジする
・新しさは副産物をうみだす。リスペクトだ
・一般の人たちに向けに雑誌広告を出すなら、一般の人たちに向けのコピーではなくてランナーだけに向けて書く。そうすれば一般に人は聞き耳をたてるからそのほうが面白くなる
・人気は右脳的
・ブランディングとは主語の力を強くする運動にほかならない。人の話は平等にきいていはいない。
・コミュニティづくりで大切なこと。まず共有する哲学をきめ、それを発展させることを考える
・苦手なことは他人にまかせられるのが優秀なディレクター
・ファッションに限らず、およそブランドのなに値する企業は固有の新しいカルチャーを伴って登場する
・哲学史と同じで、カルチャーもまた直線の先行者への全否定としてうまれる
これからも読み続けるであろう名著。